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2012年4月22日日曜日

嫁入り前の親の気持ち

おはようございます。

本日、日曜日。
庭木市会場では雪解け水でドロドロだった地面も、だいぶ乾いてきました。

この土日で数組の会場案内のご予約が入っており、本日も春の暖かな風に癒されてみます。


2010年6月10日の写真です。
 今はまだモミジやツツジの枝に葉がついておりませんが、あと1ヶ月もしたら葉がつき花が咲く季節です。

当社の庭木市会場では、葉がついていない状態の樹木が今の時期だけ見れます。
葉がまだついていない落葉樹と常緑樹の区別がはっきりと解るのは今の時期だけです。

時期とタイミングというものは、当社にとっては素晴らしい事で、自然を相手に仕事をさせていただいていると、探していなかった今しか見れないものに感動する事が多々あります。


例えば、1週間前まではフキノトウ。 今では白樺水。 これからはコゴミ、ウド、フキ、タランボ。
食べ物ばかり挙げてしまいましたが、山菜もタイミングが大事。

樹木もこれから花が咲き始めるタイミング。
はじめにレンギョウ、次にムラサキツツジ。そうすると庭木市会場では一斉に花が咲き乱れます。

私たちはその季節になると、小躍りしながら会場を歩き回るものです。


同じ種類のツツジでも日の浴び方や土の状態などで1週間ずれて咲く。何てこともあります。
観察していると、樹木にも性格があるかのように感じてしまう事もあります。


話しは変な方向に向いてしまいましたが、兎にも角にも古木のツツジから咲く花は見事なものです。


皆様のお越しをお待ちしております。



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さて、前回の「春の剪定」に引き続き
本日のお題は、嫁入り前剪定 と 嫁入り剪定です。



剪定をする際、庭師はその木が見られる目線を感じながらハサミを入れます。
円楽寺  くわしくはこちら
 嫁入り前というのは、当社の会場にある状態のことを言います。
嫁入りというのは、お客様のお庭へ樹木が入った状態の事を言います。

それらの剪定の何処が違うのかと申しますと。
 「目線」です。

私達の剪定は、と言うよりも根本である庭は「目線」を感じながら造ります。

お客様のご自宅のリビングにあるソファーに座った目線。
台所から眺める外の視線。
書斎から見下ろす目線。

様々なシーンで見られる庭をより美しく感じさせるのが 庭師です。


会場にある木を剪定するときは四方八方から見られることを意識しながら剪定しますが、
あくまでも仮の剪定となります。

樹木には表と裏があり、樹木の表情は見る角度によっても全く違います。
その表情のある樹木をお客様のお庭に入るときに見る角度や置く場所によっては、
残してきた裏の枝が全く要らない場合などがあります。

お嫁に入った後の確定された目線によって、本来の姿となる状態を得られる事になります。

そこから数年かけ、ゆっくりと樹木と向き合いながらお客様とハサミで会話をする。






樹木の剪定は見られる目線の数によって質が変わってくるのかもしれません。